お金に関する高卒と大卒の違いを現役教師がまとめてみました。
平均値やお金に関する情報のみで比較したので、一概にどっちかじゃないと人生損!ではないのでご了承ください。
結論から言うと大卒の方がお金の面では有利になります。
高卒の方が早く働けるし、学費もかからないのに?
- 生涯賃金の差は5,000千万円
- 賃金(月給)の差は約10万円
- 大学の学費、生活費は約900万円
賃金に関する比較
生涯賃金の差
まずは生涯賃金から比較していきます。
男性 | 女性 | |
中学卒 | 2億180万円 | 1億4490万円 |
高校卒 | 2億1140万円 | 1億5020万円 |
高専・短大卒 | 2億1550万円 | 1億7590万円 |
大学・大学院卒 | 2億6920万円 | 2億1670万円 |
生涯賃金に関する定義は下に載せておきます。
学校を卒業してただちに就職し、その後、60 歳で退職するまでフルタイムの正社員を続ける職業生涯。転職は平均的にするが、転職の際、途中で職を離れる(失業或いは非労働力化 する)ことはないものとする。60 歳は、定年年齢として最も多 くの企業が採用している年齢であることを踏まえて設定した 年齢である。
入職年齢は、中学卒 15 歳、高校卒 18 歳、高専・短大卒 20 歳、大学・大学院卒 22 歳、定 年退職年齢は一律 60 歳とし、入職年齢と定年退職年齢の賃金につ いては、調整を行わずそれぞれ 1 年分丸々計上した。
ユースフル労働統計 2019 労働統計加工指標集
中学卒や高校卒は大学卒に比べ早く就職したにも関わらず、生涯賃金では大きく差が出ています。
大学・大学院卒との比較をそれぞれしてみました。
大卒・大学院卒との差 | ||
男性 |
女性 |
|
中学卒 | 6740万円 | 7180万円 |
高校卒 | 5780万円 | 6650万円 |
高専・短大卒 | 5370万円 | 4080万円 |
高卒と大卒では5,000万円以上もの差が出ていますね。
社会人になって家の購入や教育費とう考えたらこの差は大きいかも…
賃金(月給)について
次に初任給と平均賃金の差を見ていきましょう。
ここでいう賃金は以下のように定義します。
「賃金」 本概況に用いている「賃金」は、6月分の所定内給与額をいう。 「所定内給与額」とは、労働契約等であらかじめ定められている支給条件、算定方法により6 月分として支給された現金給与額(きまって支給する現金給与額)のうち、超過労働給与額(① 時間外勤務手当、②深夜勤務手当、③休日出勤手当、④宿日直手当、⑤交替手当として支給され る給与をいう。)を差し引いた額で、所得税等を控除する前の額をいう。
令和元年賃金構造基本統計調査結果
初任給の比較は次の表になります。
男性 | 女性 | |
大学院修士課程修了 | 23万9000円 | 23万8300円 |
大学卒 | 21万2800円 | 20万6900円 |
高専・短大卒 | 18万4700円 | 18万3400円 |
高校卒 | 16万8900円 | 16万4600円 |
初任給から月数万変わるのは学歴社会って感じがしますね…
平均賃金、平均年齢、平均勤続年数は以下の表になります
男性 | 女性 | |||||
賃金 | 年齢 | 勤続年数 | 賃金 | 年齢 | 勤続年数 | |
大学・大学院卒 | 400,500円 | 42.6歳 | 13.4年 | 296,400円 | 36.3歳 | 7.8年 |
高専・短大卒 | 314,900円 | 41.5歳 | 12.9年 | 260,600円 | 42,2歳 | 10.4年 |
高校卒 | 292,900円 | 45.1歳 | 14.4年 | 214,600円 | 45.0歳 | 10.6年 |
賃金(月給)でこのような差が出ると、生涯賃金でも差が出ることは明らかですね。
学費と生活費を考慮する
結論から話すと、学費と生活費を踏まえても大卒の方が有利になる可能性が高いです。
① 学費 | 4,594,177円 |
② 生活費 | 4,444,000円 |
③ 奨学金 | 3,243,000円 |
④ アルバイト | 1,424,400円 |
1番費用がかかるシミュレーションをしてみました。
学費+生活費で9,038,177円かかります。
そこに奨学金とアルバイトを考慮すると、親御さんに用意してもらう金額は4,370,777円になりますね。
教育費はほんとにかかりますね…
しかし、生涯賃金で高卒と大卒とでは5,000万円差が出るので、学費や生活費を考えても、大学に行くメリットはあると言えるでしょう。
それぞれの項目について詳しく見ていきましょう。
学費
4年制の大学にかかる費用は下の表になります。
授業料 | 入学料 | 施設設備費 | 合計額(4年間) | |
国立大学 | 535,800円 | 282,000円 | 払う場合あり | 2,435,200円 |
公立大学 | 538,294円 | 394,225円 | 払う場合あり | 2,547,401円 |
私立大学 | 904,146円 | 249,985円 | 181,902円 | 4,594,177円 |
他にも教科書代や施設設備費はかかります。
※公立大学の入学金は地域外のもの。地域内は230,347円になります。
こう見ると国公立大学をすすめる親御さんが多い理由に納得するな…
生活費
次に大学生の生活費を見ていきましょう。
生活費は食費、住居・光熱費、保健衛生費、娯楽、その他の日常費の合計としています。
自宅通い | アパート | |
大学(昼間部) | 434,000円 | 1,111,000円 |
自宅とアパート暮らしでは、1年間で677,000円差が出ています。
また、アパートになると家財なども上の金額に追加されてきますね。
一人暮らしするかしないかで大きな別れ道だな
学生がアルバイトで稼ぐお金の平均は1年間で356,100円になっています。
思ったより少ないし、周りはもっと稼いでいたイメージはあります
まとめ
各データの平均値を見る限りでは、高卒より大卒の方が有利になることが分かったと思います。
- 生涯賃金の差は5,000千万円
- 賃金(月給)の差は約10万円
- 大学の学費、生活費は約900万円
将来やりたいことがまだ決まっていない人は、とりあえず4年生の大学を目指した方が良さそうですね。
他にも外国のビザを取得するときにも高卒か大卒は影響してきますからね。
高卒でも合格率20%の公務員や起業、会社員として働いて副業を頑張るというのも個人的には良いと思っています。
コメント